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わらうられつ
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2008/12/03/日比谷


前日に買ったパンプスが拘束具
拷問のようだった



企業力/人間力/スキルをあげるためのセミナー講習
貴重な時間だった


2008/12/04/休日/税金を払う日
滞納している渋谷区民税2期分と高崎市民税を支払った
あっという間にお財布が軽くなった

夜 メールと電話 わたしのこと知らないくせにと思った
お互い何かを埋めたいだけなら ちょうどいいのかな

世間はアルコールとネオンでそわそわして
舞いあがってふわふわしてる だけど
わたしは今のところきらきらしなくていい
新しく出会わなくていいと思った




2008/12/05
ホームで携帯を開いたら 友達から間違いメールが来てた
[前ダーから聞いたけど入院したんだって?大丈夫?]とかで
前ダーとは半年くらいお話ししてないし 覚えのない内容で
送信者である彼女の携帯のアドレスの中で
わたしと奥さまが並んでリストに加わってるんだなと思った

みんなや前ダーが
奥さまに優しい日々を綴ってる
よかったと思った


携帯を呆然とぼんやりと眺めてたら着信で
昨日の彼で バットなナイスタイミングで
いまわたしは誘惑に弱いと思った
こういう曖昧な甘さはウソツキだ

すぐに電車が来て電話を切った

この時期の物事は簡易で安易でインスタントで
すぐにふわふわしちゃって楽しくなるけど
先を急いでも満たされないだろうと思った

だったらわたしはひとりでいいと思った




 
あいかわらず
わたしはなにを守っているんだろう





 
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そのとき前ダーと別れると決めてて実際そういうお話もしてて
これが最後の誕生日だと思って 皮肉のつもりで夜景の見える窓辺に予約して祝ったら 
片田舎の街灯の素朴な夜景と目の前のわたしの姿を交互に見て
すっごくうれしい すっごくうれしい すっごくうれしいって顔した
わたしはにこりともしなくて それに気づいて座りなおしてた
だけどその後も前ダーは今までに見たことのないくらいのデレっぷりで
かわいかった

と いうことを
あさ目が覚めていきなり思いだして
辛くなって泣いた

すぐにそんなことわすれた




仕事中 急に今朝の記憶を思いだして自分が辛くて悲しくなった
どうしようもない 素敵なものを見て手元に集中しようと
棚の前で資料用に集めてきたファッション誌めくったら
それが急に色あせてて限りなくつまんない雑誌になってから
迷いなくオフィスのゴミ箱に捨てた

 ごとん

以外とオフィスに音が響いて
わたしの様子について誰も気づかなかったらいいなと思ったけど
とりあえず吾が上司君の視線は感じたので なんでもない素振りをした
その次に手にとった雑誌もつまんなくて 輝かなかったので 
これを迷いなくゴミ箱へ投げ込めたらどんなにスッキリするだろうと思ったけど
悟っている吾が上司君がわたしに踏み込むスキを与えてしまうだけだと思って
さっきの雑誌をゴミ箱からひろってまとめて雑誌回収のところへ持って行った
タメイキとかナミダとかが出てしまいそうでチリチリした
とにかく情緒不安定 午後はひとことも話さなかった
開かれた感じがしないから 仕事もあまり進まなかった気がする




今日は予定があるらしく上司君は早く帰った

わたしは思い立って仕事をたたんで新宿へ出た
閉店5分前のショップでスキンケアのセットを買った
唐突に不似合いな額の買い物をしたのに迷いとかがなくて
そういうのがよくないと思った

 駆け出したり尻込んだり不安定


きれいになりたいと思った
今年中にきれいになりたいと思った
来年が始まる前にきれいになりたいと思った
わたしきれいになれ と思った





だけど
わたしはなんのためにきれいになるのだろう
きれいになってもどうしようもないのに
なんのために頑張るんだろうと思った
すべて無意味なことに思えた

駆け出したり尻込んだり不安定



 

それで今が12月であることを思いだして
それから前ダーも似たこと考えてるかなと思った
前ダーは今頃しあわせなはずなのに
そんなこと思った





 
午前指定で到着した荷物が2つ オフィスで使うためのピンクの革のスリッパと働くわたしのくろい靴 それを受けとってまた寝てた きちんと起きたら もう夕方だった 休日の全部を睡眠でおわった感じ スッピンのまま部屋を出て暗くなった世界を自転車で走った
名刺ケースを買うこと/新しい靴に靴底を貼ること/クリスマス限定のロクシタンのスキンケアセットを見ること/オフィスのランチマットとカップを新調すること
そういう雑用をするために渋谷へ なんだか暖かい夜だった


ひとつめの荷物が届いたとき夢を見てた
ふたつの場所に二回行く夢だった

仕事みたいな行かざるを得ない理由で案内されたショッピングモールの植物コーナーに
再び立っていた ここへ来たくて訪れてた
異国のおんなのひとが嬉しそうにわたしと話していて
この土地を想うための植木をひとつ見立ててくれた

仕事みたいな行かざるを得ない理由で案内された施設に 再び来ていた
そこは広大な草原で背の低い雑草が枯れて風に揺れていた
施設のおんなのひとが上の方を指して誇らしげに何かの説明をした
見上げたらフラミンゴが干し柿みたいにぶら下がって枯れるのを待っていた
歩いてたら草の間に転々とネコやウサギが動けなくなって枯れるのを待っていた
その施設は動物を生きたまま枯らすための何かで常に強い風が吹いてた
みんな枯れるためのものなのに いきいき生きてる色をしてじっとしていた
草原の途中までおんなのひとはついてきて挨拶をして戻って行った
そしてわたしはひとりになった
ベージュの枯れ草が倒れて風になびいてた

チャイムが鳴って目が覚めた
オフィスで使うためのスリッパが到着した




ふたつめの荷物が来た時も夢を見てた
いつも夢に出てくる住宅街を夜中に自転車で走ってた

夢でなんどか来てるからわかる この角はこっち というふうに進んだ
夜中に眠る旧い住宅街の細い路地をくねくねと抜けていきなりひろい道に出た
あれっ間違えたかなと思ったけどその道を渡ったら
24時間開いてる図書館があっておおきな自動ドアを中に入った

チャイムが鳴って目が覚めた
働くわたしのくろい靴が届いた

その住宅街は前に
ひとが死んだ話をする定食屋へ行く夢と
神社の境内でちいさなお祭りがあった夢で
同じ道を通ってた



こないだ

ふたりで忘年会しようと言われて いつですか と尋ねたら
彼にとって大事な日で わたしなんかでいいのかなあと思いながら
「いいですよ」と答えたら なんかテンションあがってて
このひとわたしと過ごしたら嬉しいんだ と思った
ちょうど彼の友達が来て 彼がこのことを友達に言ったので
そんなこと報告しなくていいのにと思いながら友達の方を振り向いたら
彼の友達は「よかったじゃん」って顔してなんかテンションあがってて
この友達はわたしが彼と過ごしたら嬉しいんだ と思った
それをどんな顔して受けとったらいいのかわかんなくてちょっと困ったけど
これが恋愛とかじゃなくても しあわせなことだなあと思って
たいせつに楽しみにすることにした

 
No.2/上司君/プレス担当と朝一番の打ち合わせで今後もっと忙しくなるから と
No.2のビジョンを聞かされ それとなく新しくひとを雇用することを示唆されて
今それはNOだとやっぱり思った
言葉を止めて静かに返事を待つNo.2に視られているのが解るけど
わたしは様々なスイッチをオフにして黙ってこくこくうなづいた

はじまろうとする沈黙を中断するように

「制作側のことは、考えずにどんどん入れちゃってください
 仕事ですから。徹夜でもやります。」という声がして

目の前の上司君のオニのような言葉が 神の声のように聴こえて
視線をあげたら上司君は真剣すぎるほどで怒ってるかのような顔で。


つめたい雨
毎日の歩道橋からいつもの路面
ひかりが遊んでた


上司君は今日午後から予定があってくるくる自分の仕事して
最後に声をかけてくれて 消えた

わたしはひとりになってある程度のデータ作成と校正作業を終えて
来月から始まるショップイベントの幾つかのPOPなどを仕上げる
何百枚のカラフル それがひとりで延々と続く

先に帰るNo.2が帰り際に声をかけてくれて
今日しているような簡単な作業等に関して今後どう思うかを話してくれた
改めてわたしの下に誰か雇うことについてそれとなく試されてる気がして
上手く言葉が出なくて あいまいな返事をしたら そんなわたしを察して
今はそれに沿う方向で返事をくれた

でも最後に
「だけど、これからも僕がんがん入れて進めて行くつもりですから」
と言った ちょっとかっこよかった 覚悟してねと言われてるような気がして
「頑張ります」
とわたしは受けて返事した これはおとこの仕事場なのだと思った




なにをここまで守りたいのだろうと思うけど
やっぱり それは今じゃないと思ってしまう

例えばわたしが倒れて病んでもちょっとだけ困るだけでどうにかなるし
会社がコケたり新規事業ができなくなったりイベントが停止したりしない
わたし程度のスキルなんて平凡すぎてどうとでもなる
誰にでもできる訳じゃないけど 誰かができるもので
同じものが作れなくても 何かを納めることができる
そうじゃないわたしの仕事をやりたい 辿りつきたい

このまま忙しくなったら
上司君は今以上にそのセンスと実力を活かして采配するだろう それを信じれる
そんな上司君に応えたくてわたしはもっとやると思う この場所だから頑張れる

  「制作側のことは、考えずにどんどん入れちゃってください
   仕事ですから。徹夜でもやります。」という上司君は

わたしを解ってちょっと覚悟して それであんな顔したんだと思った



この歩道橋に何度でも逢いにくると思った
この景色がわたしの東京


わたしはそれに値するわたしの仕事をやりたい

甘えてる
こころからありがとうと思った
 

 



わたしの部屋のうらにアパレル屋さんのショウルームがあって
毎年この時期にサンプルセールやってるから今年も見に行った
エアコンの調節をこまめにするメガネのお兄さんがひとりいて
途中から寡黙な感じのおとこの人がきて交代した
置いてあるアイテムはハンガーにかけられてる時よりも
身につけたときのほうが美しくなる洋服が多かった
きちんと考えて仕事してる感じがした
エストネーション(のオリジナルブランドぽい)とかもあった

実際に現場に携わってるひとに会うことがないし考えもしない
だけどお品物にそのいろや考え、個性が出てるなあと思った
普段過ごしていること、その空気が商品に乗って市場に出て
選ばれたり選ばれなかったりして消費されるんだと思った
日々って大事だなあと思った

お買い物のテーマ
[オフィスで仕事するわたしの服]
黒テーラードジャケット 灰タイトスカート 
黒スカート 白シャツ 
黒カットソー 白カットソー

石みたいないろあいだ
定価にすると11万円分くらい
カードで3万円弱切った

そして帰って
さつまいもで肉じゃが作って食べた





昨日 給料日のヒルズランチに誘われて出かけた

洋食屋がテーマなレストランでハヤシライスを食べた
かぼちゃスープもハヤシライスもコンソメと塩が強くて
ひさしぶりに外食をした気持ちになった
あまり好みじゃないなあと思った

向かいの席でハンサムさんが
「そういえば[世界はモノクロで、レイさんの存在する景色だけカラフルで色がつく]
 って言ってたひと、どうしてます?よっぽど好きだったんだと思うんですけど」
と いきなり質問するから 赤面して動揺した

そんな素敵なこと言ってくれる人とわたしは出逢ってたらしいのだが
すっかりその人のこともその言葉もわすれてて消息不明で
記憶はハンサムさんの脳裏に刻まれて終わってた

わたしはそれをうれしくなさそうに話したと言った
そのわたしが残念 でも仕方ないかも



君はモノクロでカラフル


持ち物がどんなに優れていても
わたしが選ばないものは忘れる
続く物事は日々にながれ続ける
わたしの傍に置いている時点で
選んでるんだろうなあと思った




 
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