ミイラごっこ

現在am4:16
零時に横になったのにずっと暗闇にいます
夢にたどり着けないまま ぐるぐる
ウトウトしたい ウトウトまだかなあ

幾重にも重なる夜虫の声は一定の呼吸を保って美しい波を描いて　遠くの方で野良猫が喧嘩や出会いを繰り返して声を荒げる　 遮断機の降りる音　乾いたアスファルトを過ぎるタイヤ　あと数分したら新聞屋のバイクが来て　朝の鳥の叫びが始まったりするのかな 　ああ今年はホタルが舞うさまを観たいと願ったのに忘れてた　もうすぐ花火大会の季節で　ひとりであることが悲しくなっていらいらするんだろうか　我が闇で美女猫がざわざわ狂おしい心中を打ち明けんとうるうる言う　私はウトウトしたくて黙り続けてる　睡眠がなくても横になってたら眠ったことになるのかなあ　パキッと回路が繋がってて 柔らかく凛とした夜だ　ネコズがカリカリを噛み砕く音がして　我がネコズは少しずつ何回も食事をしているのだと知る　いま感じ想うこと記したら気が済んで寝るだろうかと携帯開いて　試しに伸びてみたらあくびがでてヨシと思ったけど暗闇に変化なし　同じ質感のくろいろが居座って　ウトウトしたいだけなのに　…ああとうとう朝鳥が騒ぎだした　もうすぐ夜虫の輪唱が細く淡くなるだろうか　朝いろへの空気の濃淡を感じながら　あきらめの気持ちでじっとやすらかを待っている　まるで生きている死体だと思った



何度も
眠れるか試しに目を閉じている

4:40だ

5:40だ

ひとつ発見した



ターリンは暗闇で見るとしろいねこになる