赤のチカチカ

近所の真っ白な貸衣装屋の裏玄関は
毎日入り乱れてる

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昨日の朝　タキシードキャットの世話をする私を見てターリンがゲエゲエした
昨日の夜　タキシードキャットの世話をする私を見てハナちゃんがゲエゲエした
朝夜と 還って来たキャットフードを掃除した　泣

このまま　お互いの姿を見ないまま部屋で過ごさせてたら
得体の知れなさが不安を生むのかなあ　心理的によくないかなと思って
大騒ぎになったけど　タキシードキャットをご披露した

なんか
いつもいつも私が猫を拾ってくるせいでネコズには世話をかけるなあ
面倒見るの結局ネコズだもんね　ごめんねえ

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社長が群馬へお見えになり　タキシードキャットのことを聞きたがった
創業11年目にして初めてのことで社長もご興味がおありのご様子
っていうか
トボケたふわふわの猫が職場に入り込んで来るなんて
一生の中でもうないことだろうなあ




社長の犬の写メを見せていただいたら
芸能人みたいなテレビが写ってた
ブランド家具が配された室内で　スタイリッシュな広告のような部屋だった
社長ってホントにブランドが好きなんだなあと思った
だからこそこの会社が成り立つんだろうなあ

私はこういう部屋や家具に憧れないし買わない
ここに勤めなかったら知らぬままだったことが多いのだろうと思った

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「赤いチカチカしたランプありませんか？」

　　　　　　　　　　　　「うーん　なにもチカチカしてません」

「…じゃあ、ちょっと見に行きますね　15分程待っていてください」


メーターがエラーを起こしてガスが止まってた
ガス屋さんに電話をしたら来てくれると言う

ガス屋のお兄ちゃんはちょっとなれなれしい人で
それはそれで面白いんだけど
外だけで用件が済むのに　玄関から室内をじろっとのぞいた
いやらしい感じじゃなかったけど　なんか怖かった

余計な関わりあいはいらないなあと思った

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恋とかずっと忘れたまま8年ほどをひとすじに過ごしたため　ソレ系のニュアンス会話の分別がつかず不明
知り合ってすぐの[飲みに行こうよ]のメールが飲みに行く前に　いつの間にか部屋の話題になってる
[パーティしてよ]とか[猫いいね見たいなあ]とか　私にもネコズにも興味もないくせにと思うのだけど
必ずいつのまにかそういう話題の流れができてて　ナンデ？？と思って停まって終う
部屋に招いたら事件がおきませんか？私はなんか深読みしすぎなんでしょうか？考えすぎ？
みんなそうなの？これって普通のこと？世の中の人ってどう流れてんの？
最近の人がよく言う「イイカンジだけどよくわかんなくてぇ」の「イイカンジ」ってコレのこと？
恋人って「イイカンジ」で出来アガんの？　？？？
なんか　私「ナリユキ」とか「イイカンジ」とか　無理そうだから　恋人ってできないんじゃないかと思う








いずれ
誰かを好きになることや
身を呈するということを
恋をする　ということや
愛しあう　ということも
忘れてしまうんだろうか










　

帰ったら
タキシードキャットの箱がお留守だった






こんなところにいた

ターリンのやつが遊んでもらえると思って
イタズラしたに違いない

まだすこし怯えてるから　かわいい写真を撮れるようになるまで時間がかかるなあ
なんだか　ハナちゃんがウチに来た時を彷彿とさせる距離感だ