ミルク猫の午後

7月のわたし　さようなら

8月のわたし　こんにちは

ここのところ　休日はアイス珈琲をたてるのが習慣になっている
晴れた平日の正午に目が覚めた　珈琲を煎れて顔を洗う
ふとん干した　掃除　洗濯　汗かいてシャワー

まっすぐ同じに伸びてならんでいる



うつくしいとおもった
丁寧な緑の手を感じた

夕刻　郵便局へ寄ったあと
歯ブラシだとかマヨネーズやネコ缶やパスタや
あってもなくても困らないような雑貨を買いに出かけた
さまざまなくだらないモノを必要として生きている

蝉の声を今年初に聴いたような気がした

















ミルクにシナモンを落としたようなネコが話しかけてきた



彼女は今　恋の季節なのだと言う
ちょっとうらやましいな




ニャーだけじゃなくて
全身を使って話しかけてくる
触れてもいいのかな　と思ったけど
ネコに敬意を払って
お話しするだけにしてみた

ネコの表現力の素晴らしさは
愛すべき芸術だと思った









すてきな殿方と出会えるとよいね
さよなら

連日の雨のあとの庭先はどこも緑が美しい　空が青くてひろい
平日の午後の終わりを流れるしずかなしずなかな優しさを自転車で辿っている

あなたから観える私の世界が美しくありますように

すぐに暗くなるかと思ったけど　陽が長くて明るいうちに帰ってきた
アパートの近くの路地は　もう夜虫の歌声がしていて
いつのまにか蝉たちはだまりこんでいた

うつくしい夕暮れだと思った














私はもう　なにもここに描けないかもしれない　言葉が黙っている
こころが話しかけてこない　普通の人になったと思う