花.月光荘.夜風.散歩.記憶.街灯.赤.ピンク.水玉.ネコ.ネコ.ネコ...シロネコ。

副社長はお宅の花を連れて出社される
季節の花がオハヨウオカエリオツカレをしてくれる
それが花の仕事

帰宅したら不在票があり郵便局へ　時間外窓口にいつもより長い列ができていた
最後尾から並んでいる人を眺めて　ものすごく平凡な男の人に目がとまった

くすんだ色のタオルを頭に巻いている　プラスチックフレームのメガネ　3日目みたいな髭
半開きの口　腕は焼けている　左肩を壁に預けてナナメ立ち　推定で身長174　細身　
白のポロシャツの下に黄色のTシャツを着てるのが透けている　何にも考えないで着てる感じ
くすんだ作業着を履いて　よくわからないスポーツリュックを右肩にかけている
よくわからないスニーカーを履いている　これが　たぶん彼の「いつも」の姿なのだと思う

彼は多分オシャレジーンズなんか履かない　「ダサさ」のような平凡さだ
安心する無頓着さと　隙だらけのようなゆるさと　テニスでもやってそうな健康美
ああ　前ダーって出逢った頃　こんな感じだったなあと思った　あの時は学生だった

前ダーの友達には「どこがよくてつきあったんですか？？」と必ず聞かれた
不思議な質問だといつもいつも思った

いつからあんな不健康そうな感じになったんだろう　私のせいだろうか
ここ1年ほどはリコンとか不幸とか続いて　あまりいい顔も見てないせいもあるけど

つきあわせちゃったかな
と思った

悲しくなった













もう誰も私につきあわなければいいと思った





帰路



旧くなって白に青み増す街灯

このひとの顔が寂しいことに今気付いた
南側の窓が足りないほど小さい
そうか君は「蔵」だっのか





日中の夏日のために
通る夜の風がやわらかい
お散歩したくなる夜だ

ゆるゆると路地を流れながれる









ひとんちの台所のあたたかさ









ないてるみたい

この世界が　夜を迎えているのだと思った

今夜　届いたのは
美しい贈り物でした

差出人はシロネコ




[HAPPY BIRTH DAY]の袋は　開くとセクシーな声で歌いだす
ビクッとして　思わず落としそうになった　笑った





それと
赤とピンクのボールペン
ピンクの月光荘のスケッチブック
赤の包み紙
ネコのカード
ネコのカード

お手製の封筒に入った　シロネコからの手紙

この世にこんなものが在るなんてと思った





泣いた