築地/銀座

みーつけた











なにしてるの？

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築地へ

産まれて初めて来た築地は
映画[鉄コン筋クリート]の宝町にそっくりだった
ねずみがいて木村が生きてそうだった

私の中で宝町は　東京だけど　東京じゃない
映画を製作した人は
こういう風景を研究して描いたのかなと思った

嬢が目的地を探して歩く



連れてきてくれたのは
築地　たねいち










オオッ。






レディースセットが既に品切れで



海鮮丼にした
お魚が甘い

マグロ
たこ
サーモン
はまち
いくら
ウニ
卵

今日のお味噌汁は岩のりだった
久しぶりに人が作ったお味噌汁を飲んで
染み入るようだった

東京へ来る度に来てしまいそうだ

そのあとは　銀座を歩く
どの店に入るという訳でもない



ひとひとひとひと
ものものものもの

帰路の電車で　私は女性の前に立った
網棚から私の荷物が落ちてしまって彼女を驚かせてしまった


彼女はしばらくうつむいていて　ティッシュで口を拭った
用意してきたバッグのチャックを開けてビニル袋をひらき
ティッシュをそこへ入れた　吐きそうなのかな　と思った

大宮から人がどっと入ってきて満員状態になった
彼女は震える指先でなれたような仕草でビニル袋に吐いた
微妙な匂いが電車内に漂って　彼女は次の駅で降りた




彼女が去ったあとの席に座って
人ごみから少しだけ解放された

彼女はいつも何かで苦しんでいるのだろうか
私の荷物が落ちたせいで　留め金が外れたかな　ゴメンナサイと思った
彼女が座れていたことが救いだと思った



30分ほど眠った