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わらうられつ
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トシちゃんの弟様の夢枕に2晩つづけてトシちゃんが立ったという
なんでかねえ と話していたら 訃報を受けたのだそうだ
トシちゃんは困っていたんだろうか










「ほんとトシちゃんらしいから」 と 前ダー

お棺は葬儀場の花で飾られた明るい一室に配置されてあり
そこへ案内してもらった 現実が怖かった


視界にその存在を認めるまでに時間がかかった
見つけてからは見つめることしかできなかった


       「…トシちゃん‥!!」

何度も名前を呼んだ 私は泣いてた 前ダ−も次女姉さまも泣いた
誰もが言うとおりまるで眠っているかのようで遺体はきれいだった
無茶運転をしないくせに事故ってあっさりすっぱりと命を落として
好きなバイクに乗って好きな女に泣かれて 絵に描いたような最後
びっくりしたのは白い歯が見えていること トシちゃんは笑ってた
そして右目がうすくひらいていて黒目が光っていた かっこよすぎ
トシちゃんは 目を閉じることなく 笑ったまま逝くんだと思った
「トシちゃんらしい」それに尽きる最期だなと こころから思った

告別式はずっと泣いた 私はトシちゃんをすきだったのだと知った





細くて小さな体からいつも大きな力強さを発しているような次女姉さまの
それは消えていた
呆然と放心のなかで やっと立って気丈にふるまう彼女の
とうとうという感じでこぼれてしまった おうおうという嗚咽を聞いた時は
どうしようもなくてはりさけそうだった 


トシちゃんはしあわせだったと思った








トシちゃんと次女姉さまは籍を入れていてよかったと何度も思った

好きな人とは結婚した方がいい どんなことがあっても
それは結婚願望と違うところにあるお願いのようなものだ
















トシちゃんの前妻がだれだか解らなかったけど
私の前の席に息子様の奥さまが座った 彼女の脱色したパーマの毛先が視界のど真ん中だ
その隣に座る落ち着きのないやんちゃな子供は 大人の集まりがたいくつそうだった
トシちゃんみたいだと思った

トシちゃんと前妻の娘は 意志のはっきりしたきれいな目と 快活そうなショートヘアで
やりたい事があってアメリカに住んでいて トシちゃんのお葬式で帰国したのだと聞いた
生きているオーラがくすみなくきれいで 迷いのない強い人 のような印象の女性だった
トシちゃんの家系だなあと思った

前ダーのおいっこは大人しくしていて 母親に対し忠実な犬のように式を迎えた
長女姉様は私の姿を見ると すい、と消えてしまった ちょっとこわいと思った
子供たち大人たちを眺めて 対照的な家系だなあと思った






トシちゃんは写真が嫌いだったから まともな写真が無くて
私が持っていた2000年1月の初めて群馬へ来た時の写真が遺影として使われた
次女姉様が籍を入れたことを今回の件で知った義父様と義母様は少し疲れていた
悲しんだらいいのか怒ったらいいのかよく解らないし複雑で大変なことだと思った
前ダーは実家に帰って少し太ったなあ と よれた黒ネクタイをちょっと直しながら
この人とはこれっきりなんだ どんどん歴史が離れていく と 思った
私もトシちゃんのように いつか誰かのところに還るひとになるだろう
でも前ダーじゃないのだろう






私はリコンの身分なので
献花を添えて手を合わせてから
遠慮させて頂いた

死というお別れは
お葬式という現実を迎えて
時間をかけて消化するものなのだろう
トシちゃんのことを思って
次女姉様のことを想った




今日の雨はやまない





 
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